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Wily Jones yet to put a foot wrong

策士ジョーンズに敗北なし

wily_eddie_jones_bodyイングランド代表にとっては忍耐の年、そして歓喜の年でもある一年となりました。
優勝期待もあったがラグビー・ワールドカップでの早期敗退となったものの、そこから立ち直り、シックス・ネイションズで全チームに勝利し、グランドスラム獲得しました。

ヨーロッパ制覇だけでは満足せず、ラグビー・ワールドカップの決勝にまで進出したほどのオーストラリア代表にシリーズ・ホワイトウォッシュ(3戦3勝)し、シーズン初めの出来事を忘れさせるほどの素晴らしい年の締め方をしました。

このラザロ復活のような蘇りの中心となっているのはエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチです。彼の貢献は有名な選手のオーウェン・ ファレル、ジェームズ・ハスケル、マロ・イトジェより大きなものですが、
彼の影響力によるものという評価はまだまだ低いのです。

イングランド代表のヘッドコーチになってからの数ヶ月の間ヨーロッパの最も有名なコーチ率いるチームを相手に勝ち続けました。今シーズンは自身の最後に出身チームであるオーストラリアをも苦しめました。その前に忘れてはいけないのは、ラグビー・ワールドカップで日本代表が南アフリカ戦で衝撃的な勝利を収めた際も彼がヘッドコーチでした。

ラグビー・ワールドカップの強化合宿から始まったイングランド代表のオーストラリアへの遠征は疲弊しきったシーズンの最後行いました。

ラグビー・ワールドカップでの早期敗退からの回復期間を見積もっても、選手たちは全力で取り組む必要があり、戦いにも疲れていたはずです。

予想に反して、ジョーンズ・コーチがシーズンの始めかと思うぐらいのエネルギーを心身ともに創り出し、オーストラリア代表との激しくとても面白いシリーズ内でも低下させることなくメンタルの強さも見せつけました。

オーストラリア代表挑戦の準備はオーストラリアに到着するかなり前から始め、それは恐らく3月にグランドスラム獲得となったフランス代表との試合以降から始めたのではないでしょうか。

その頃、1930年のボディラインと言われていたクリケット試合ジ・アッシズ(ジ・アッシズ(The Ashes)はクリケットイングランド代表とクリケットオーストラリア代表との間で行われるクリケットのテストマッチシリーズのことである)を引き合いに出し、イングランド代表の結果から世間の注目をそらしました。ボディラインの試合シリーズではイングランドクリケット代表はとても激しい試合をするように努めました。ジョンズ・コーチのチームの中でボディラインを知らないという選手も含めてオーストラリア代表に勝つために何
が必要かを教育しました。

このジ・アッシズの例をオーストラリア遠征前から遠征中まで繰り返し選手たちに植え付けることで、精神的に大きな支えとなりました。

精神的な戦いはそれだけにはとどまらず、オーストラリアのテレビ局フォクス・スポーツがワールドカップでイングランド代表がオーストラリア代表に負けた試合を放映した。

それは形勢を損ねることとなってしまうものだったが、逆手に取ったジョーンズ氏はこれを「失礼だ」とし、自身の選手たちのモチベーションアップに利用したことは疑う余地もない。

そしてオーストラリア・ラグビー・リーグの伝説選手アンドリュー・ジョーンズ選手の採用もありました。彼のイングランド代表練習への参加は、すでにNRLのスーパースター、ベン・テオ選手が遠征スコッドに選ばれたこと、元オーストラリア代表のグレン・エラがコーチングのメンバーとして参加することに混乱していたオーストラリアのマスコミをさらに震撼させました。

けれども、誤解のないように言っておきますが、今シリーズの優勝はさらなる基本的なコーチング方法のおかげです。

シーズン始めにディラン・ハートリー選手がキャプテンに選ばれたこと、スポーツ心理学者ジェーリミー・スネープ氏も含めた数え切れないコーチング判断がイングランド代表優勝の基盤となりました。

ルーサー・ブレール選手は12番として出場したが、ディフェンスに懸念が生じたため、試合開始29分で交代となった。試合後ジョーンズ氏伺ったところ、その時の交代及び戦略の変更は『勘が働いた』と言っています。

試合途中でジョージ・フォード選手を10番で投入し、ファーレル選手を12番に変更したコンビネーションは、イングランド代表がグランド・スラムした時と同じコンビネーションでした。

最終的には、その交代がブリスベンでの39-28の逆転勝ちのきっかけとなりました。3つ目の試合でも積極的に戦略変更を行い、試合開始30分でフランカーのテイマナ選手を交代としました。

ノースハンプトン出身の7番が2015年のプレミアシップシーズンで良いパフォーマンスし、イングランド代表に選出されましたが、たった2回目の国際試ではブレークダウンに影響力が低く、早めに交代となりました。

複数のポジションができるイトジェ選手はロックからバックローに移動し、交代で入ってきたコウタニー・ロース選手がチームに貢献することができました。勇気が必要な判断ではありましたが、シドニーで44-40の勝利に繋がった決定的な判断になったのではないでしょうか。

最近のジョーンズ氏のノー・フィアー(恐れない)コーチングスタイルの例をいくつかをあげました。
彼の行動からは想像もできないかもしれませんが、ジョーンズ氏こそがワールド・ラグビーの中で最もプレッシャーの高いチームのヘッドコーチの一人です。プレッシャーでいうとオール・ブラックスの方がさらに高いでしょうが・・・

ジョンズ氏の行動はラグビー協会、ファンもしくはメディア対して、必死に自己主張する必要がないと感じます。彼のラグビー履歴には十分な実績があるので、行動を自由にでき、選手からも高い信頼性を獲得しています。元イングランド代表のヘッドコーチのスチュアート・ランカスター氏には経験が少なかったため、外部からのいろいろな疑念に対し証明しなければいけないことも沢山あり、そういった状況がその当時のスコッドの結果に影響し、彼らがスチュアート氏の期待に応えなかったのでしょう。

ジョーンズ氏はコーチ経験が長いにもかかわらず、常に強いやる気を見せています。体調不良にもかかわらず試合前のウォームアップに参加をしたり、メディアで相手チームについて発言したりと、どこから見ても彼の熱意が見て取れます。
ジョーンズ氏の自信がおそらくセットピースと鉄壁ディフェンス担当のアシスタントコーチ、スティーブ・ボーズウィック氏、ポール・ガスタード氏、及びニール・ハトリー氏に影響しイングランド代表の成功につな
がったのでしょう。

ジョンズ氏についての授業はまだまだ終わっていません。彼は次のニュージーランド代表戦に目を向けていますが、その対戦まではまだ時間がたくさんあります。

オール・ブラックスの年末ヨーロッパ遠征にはイングランド代表と試合の予定はありません。来年もイギリスとアイルランドのタックチーム、ライオンズがニュージーランド遠征を予定していますので、イングランド代表はすぐにニュージーランド代表と試合することはできないでしょう。この話はさらにアツくなっていくでしょう。