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日本は再び世界を驚かせることができるか

待ちに待った日が近づいている。世界最強の男たちが日本に集結し、スポーツ界最大の戦いが繰り広げられる。これまでで一番高いレベルの戦いになりそうだ。

ラグビーユニオンの伝統的な強豪国以外で初めて、そしてアジアで初めて行われるラグビーワールドカップの開催権を勝ち取り、ある意味で日本はすでに勝利したといえる。

その歴史的発表から10年が経過し、興奮と期待は高まっている。

その間に起こった最大の出来事は、4年前にイギリスでブレイブ・ブロッサムズが、ワールドカップ史上最大の番狂わせを演じ、南アフリカを34対32で破ったことだ。エディー・ジョーンズ率いるチームの勇姿はそこで終わらず、その後サモアとアメリカにも勝利し、初めて決勝トーナメントに進むかと思われた。

予選トーナメント4試合で3勝したにも関わらずその先に進めなかった初めてのチームとなったことは、今大会、自国民の前で歴史を作るという決意をより強固にすることとなった。

その後、監督がジェイミー・ジョセフに代わり、トニー・ブラウンという有能なサポートを従え、チームの目標は準々決勝進出となった。

「日本ラグビー史上初のトップ8に入ることをチームの目標とした。」とジョセフはスコッド発表の記者会見で語った。

これまで開催国が決勝トーナメントに進めなかったのは、色々な意味で不名誉な歴史を作った2015年のイングランドのみである。

日本は、パシフック・ネーションズカップでフィジー、トンガ、アメリカに勝利して優勝し、ワールドラグビーランキングで過去最高に並ぶ9位となるなど、これまでのところ好調を続けている。

最後にこの順位になったのは、ワールドカップキャンペーンが始まった2016年である。

彼らが準々決勝に進むためには、ロシアとサモアもいる同じプールで、決勝トーナメントに進むと確実視されるシックス・ネーションズの強豪アイルランドとスコットランド相手にもう一度番狂わせを演じることが必要である。そしてそれを期待できる理由がある。

昨年夏のイタリア戦の勝利、2017年フランスとの引き分け、そして2年前にはウエールズやスコットランドに惜敗したことなどから、上位チームを脅かす存在であることは間違いない。

ところが、今度は彼ら自身が、後を追ってくるチームの目標となり、ライバルとなるチームはみな真剣に向かってくるであろう。彼らにかかる大きな期待も重圧となるであろうが、いつも通りの運動量と観客を楽しませるという試合に対するアプローチが変わることはないであろう。

「スタッフと選手は150%の力で臨むであろう。それが結果につながるかどうかは、やってみればわかる」とジョセフは言う。

「私たちの試合はスピード、技術、そしてアンストラクチャーをベースとしている。しかし今年の違いは、そういう試合をするだけの十分な体力があることだ」

体格的に不足する部分を、その根性と巧みさでカバーすることで、4年前にジョーンズは多くの選手のレベルを上げた。しかしジョセフは他の何かを探す必要性を感じ、それを見つけたようである。

「私たちはトレーニングを実際の試合よりも25%高い強度で行なっている。これが私たちの武器となるであろう」

これは、現在地球の反対側でイングランドをワールドカップに向けて着々と準備しているジョーンズも好んだトレーニングの方法であり、ジョセフとブラウンは最近そこから招待され、オペレーションを見学したのである。

4年前、ブライトンで行われたスプリングボックス戦での記憶に残る勝利からわずか4日後に、スコットランドとの大事な試合に臨まざるを得なかったラグビーワールドカップでの過酷なスケジュールを考えると、ジョーンズのチームに体力的な問題があったとは言えない。

結局、彼らは23日間で4試合を戦うこととなった。今回は同じようなスケジュールだが、再度スコットランドと戦う大事な試合の前に8日間の準備期間がある。

彼らに情熱やスタミナ不足はないかもしれないが、大きなプレッシャーがかかる雰囲気の中で、経験不足がマイナスにはならないだろうか?

チームに大きな影響力を持つマイケル・リーチは、体力の勝負に勝ち、トーナメントにおいて日本をリードすることになったが、彼が率いるスコッドにはワールドカップ経験者が10人しかおらず、また代表試合出場数が一桁という選手も同じような数である。

結果としてワールドカップ出場4度目のロック、ルーク・トンプソン、バックローのリーチ、スクラムハーフの田中史朗、そしてワールドカップ3度目の出場となるフッカーの堀江翔太に多くを期待することになる。

おそらく日本が再び世界を驚かせることができるかどうかの見通しは、最後のウォームアップマッチではっきりするであろう。トーナメント直前に行われる、2015年の対戦以後初めてとなる南アフリカとの試合は、素晴らしいトーナメントに日本代表チームが火をつけるチャンスとなるであろう。

南アフリカの監督、ラッシー・エラスムスは、彼らの準備を狂わせることになるかもしれない「待ち伏せ」に対して慎重になっている。

180万枚発行されたチケットが残りわずかという日本での興行収益がワールドカップの成功を左右するものではない。

加えて、40万人のファンが日本を訪れ経済を活性化することが期待されていることは、このトーナメントを新しい市場でマーケティングすることに成功した証である。

しかし、このトーナメントがスポーツの歴史上消え去ることのない跡をもう一つ残すためには、物語に意外な展開が必要であり、もしかすると、日本がそれをすることができるかもしれない。

 

 

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